彼らの神
金子 達仁
定価: ¥ 510
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発売日: 2004-05
発売元: 文藝春秋
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アテネの活躍程度ではまだまだ?!金子達仁ならではの視点で書かれている日本の国のスポーツを取り巻く環境論です。
つい先日アテネオリンピックが終わり、日本は史上最高の37個のメダルをとりました。この37個という数字は金メダル16個とともに前回シドニー大会18個の約2倍の数でありマスコミの論評をまたずに我々一般国民も日本はよくやった!と感じている事と思います。
但し、この『彼らの神』の中で著者はいまやスポーツは経済活動に似ていると主張します。すなわち潤沢な資金投入とそれに応える人口の多さが世界のスポーツの中で優位な位置を占める最大の要因であると説きます。その意味では我が日本は人口は1億2千万、GDPは世界2位の45,219億ドルでありシドニー大会のメダル獲得数18個=14位はあまりにも少ないという事です。同じ黄色人種のお隣韓国が人口4700万人/GDP4,069億ドルでありながら日本より上位の10位である事を考えると日本の不甲斐なさが判ろうというものです。その理由は日本のスポーツ界は縦割りで資金を政策的に投入をしていない事にある、と言う事でこれを行わない限り当面の苦戦は続くと結論づけています。
そんな中で開かれた今回のアテネ大会、冒頭のように大活躍の日本の様ですが、それでもメダル1個当たりのGDP1149億ドル・人口は342万人に過ぎず、アメリカのGDP900億ドル・人口270万人はもちろん同じ黄色人種の韓国のGDP136億ドル・人口156万人にも相変わらず完敗です(因みにメダル数で日本の上の4位オーストラリアは同、80億ドル/38万人、ドイツが440億ドル/171万人です)。
各競技ともそれなりの重点強化がなされた結果前回大会よりも大幅増に繋がったとも言えるため、本当の意味での回答は次回北京大会に持ち越し、という感じでしょうか? こうしたオリンピックに関する事項だけでなく、様々な角度で論評があり、とても興味が持てる1冊です。
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